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離婚裁判のフレンドリーペアレントルールとは?最高裁の判決は親権を父母どちらと決めたのか


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親権をめぐる離婚裁判で注目された「フレンドリーペアレントルー」。

別居中の夫婦(子供は妻と暮らしている)が子どもの親権を争った裁判において、1審は父親、2審は母親に親権を認める判決を下した結果、父親が上告してました。

そして今回最高裁での判断がでましたが、ここではフレンドリーペアレントルールとは何か、今回の裁判で1審2審の親権に対する判断と最高裁の判断はどうなったかを見ていきます。

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フレンドリーペアレントルールとは

離婚に際して同居親(どちらが親権を持つか)を決定する際は以下を原則として判断されます。

  • ①別居親(離婚して別れた元配偶者)と子どもの面会交流に協力できるか
  • ②子どもに別居親の存在を肯定的に伝えることができるか
  • ③子どもが面会交流に消極的な場合に別居親との面会交流を子どもに働きかけることを同居親の責務と理解できているか

これらを元に親権者を決めるのがフレンドリーペアレントルールです。

簡単に言えば、親権者決定の際には、子供に対して別居親との交流を保てる側を優先します、ということになりますね。

親権を決める裁判では、東京高決(東京高等裁判所の判決)平15年1月20日家月56巻4号127頁で採用されて以降、判断基準の1つとしてされてきているようです。

着目された父母の面会交流計画

5年別居中の当時8歳の女の子の父母が離婚裁判で親権を争ったのが今回の裁判ですが、状況としては女の子は母親と暮らしており、父親とは別居中。

そうした中で親権を争う裁判となり、

  • 2016年3月の一審では、父親に親権を認めた
  • 2017年1月の二審では、母親に親権を認めた

一審ではなぜ父親、しかも子供とも離れて暮らす父親に親権を認めたか。裁判で着目されたのが「父母の面会交流計画」でした。

  • 父親側は、年間100日の面会交流計画を提案
    (つまり子供は父親と暮らし、母親は年間100日子供に会える)
  • 母親側は、月1回程度とする提案
    (つまり子供は母親と暮らし、父親は月に1回程度は子供と会える)

父親側の「年間100日」は、無理やり平均したとすると12か月で割って一か月に約8回。つまり、1週間に2回程度の頻度で面会できる、となって、離婚後も親子の交流がある程度頻繁にできる、とする内容です。

裁判ではこの点に着目して「娘が両親の愛情を受けて健全に成長するため」には、父親を親権者にすべきとの判断を下した、ということですね。

異例な判決と逆転勝訴

通常は離婚における子供の親権では母親強し。しかも今回のケースでは子供は母親と暮らしており、そういった状況の中で、父親、しかも別居中の父親に親権あり、とする判決は異例、ということになりますが、これが「フレンドリーペアレントルール」(親権者決定の際には、子供に対して別居親との交流を保てる側を優先しますというルール)に着目した裁判と言われれる理由です。

元々は妻が夫に内緒で子供を連れ去り実家に戻ってしまい(つまり父親からすれば、子供を連れ去られた)結果として夫は妻と子供とは別居になった、といったことから、一審の判決はこの事情も加味して「親権は父親にあり」と判断したのでしょう。

しかし二審では母親に親権を認める判決。

二審では、父母の面会交流が他の諸事情より重要性が高いとは言えない、ということから、親権裁判で一般的に重要視される2つの原則、「母子優先の原則」、「継続性の原則」(どちらの親と暮らしているか)から判断された、ということになりますね。

最近では「母子優先の原則」というより「継続性の原則」で親権の判断がされているようですが、実際二審では「長女は妻のもとで順調に成育している」として一審の判決を退けて妻の逆転勝訴としています。

継続性の原則が一番強かったか

この「継続性の原則」とは、子供はどちらの親と生活を共にしてきたかが最も重要である、という原則(子供の暮らす環境を変えないほうが良いという考え方)。

二審の判決後、夫側は上告してましたが、最高裁は2017年7月14日までに受理しない決定をした、つまり親権は母親に確定、となりました。

裁判の流れを改めて簡単に見てみれば、

  • 2016年3月の一審
    父親に親権を認めた(フレンドリーペアレントルール)
  • 2017年1月の二審
    母親に親権を認めた(継続性の原則)
  • 2017年7月の最高裁
    最高裁は上告を受理せず、2審の判決で確定(親権は母親に確定)

夫側のコメントとしては「娘が父親と会えない状況は変わっていない。会えるようにあらゆる手段を講じる」としてますので、親権がどうのというより、娘に会える機会を増やしたい、その思いだけなのでしょう。