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国籍法違反の罰則はない!?蓮舫代表の記者会見から見る国籍法の罰則規定と国籍剥奪


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民進党の蓮舫代表が2重国籍問題について2017年7月18日に記者会見を行いましたね。結果として国籍法に長らく違反していたことが分かったわけですが、状況を整理しつつ、改めて国籍法と照らし合わせてみてみましょう。

蓮舫代表の場合

2017年7月18日の記者会見で発表されたことは以下の通り。

1)戸籍謄本などの一部を公表
日本国籍の選択宣言日が「平成28年10月7日」と明記された戸籍謄本を提示(東京都目黒区役所発行)。ここで提示された謄本は、取得日今年6月28日のもの

2)台湾籍の離脱証明書
台湾の行政府が発行したもの

3)台湾側の期限切れのパスポート
離脱手続きのため台湾側に提出したパスポート

分かったことは、

  • 1)国籍選択宣言はされたこと
  • 2)台湾籍は離脱していること
  • 3)台湾のパスポートは使用していないこと

1)から明らかになったことは、1967年(昭和42年11月28日)生まれの蓮舫さんとしては、国籍法に定められる「22歳までの国籍選択」(つまり蓮舫さんの場合1989年11月27日までに日本国籍の選択)が必要というところが、結果として2016年(平成28年)10月6日までの25年以上もの間、国籍の選択がされていなかった、ということ。

国籍法ではどうなっている?

国籍の選択について、国籍法でどうなっているかを改めて見てみると...

法務省 - 国籍法

(国籍の選択)第十四条

外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

つまり2重国籍の人の場合、日本国籍の取得について、

  • 1)外国籍の人は22歳になる前に日本国籍の選択をする
  • 2)22歳以降に日本国籍を有することになったら、その時から2年以内に日本国籍の選択をする

ということですね。

蓮舫さんの場合は、日本国籍を取得したのは二十歳前(17歳の時、父親に連れられて台湾籍を抜いたという時に日本国籍を取得)。

というのも、国籍法は昭和60年(1985年)(蓮舫さん17歳ぐらいの年)に改正され、それまで父系主義(父親が外国人の場合その子供は日本国籍の取得不可)だったものが、外国人の父と日本人の母との間に生まれた子供にも日本国籍が認められるようになってます。

ということから、蓮舫さんの場合、22歳に達するまでに国籍の選択をしなければならなかった、といことになりますね。

※)普通に考えれば、日本国籍の手続きの時に、国籍選択の手続きは忘れずにしてください、なども聞いているはずだと思いますが、そういった話は出てませんね。

国籍法の罰則規定は?

では、国籍法に違反した場合、どんな罰則規定があるか、と見てみると、国籍法に定められた罰則規定は、以下のもの

(罰則)第二十条

第三条第一項の規定による届出をする場合において、虚偽の届出をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。

国籍法にある罰則規定は、この国籍法第20条にありますが、この罰則規定は国籍法第3条に対するもので、第3条は「認知された子供に対する国籍の取得」についてのもの。

蓮舫さんの場合、このケースは当てはまりません。

第三条

父又は母が認知した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。

蓮舫さんの場合、国籍法14条に違反している、というケースですが、当然この罰則規定には該当せず、つまり、蓮舫さんの違反の場合の罰則規定がありません。

金田勝年法相の見解

以前、蓮舫さん曰く、法務省に今回の2重国籍問題について問い合わせしたら違法ではないと言われた、などのコメントがありましたが、これには当時金田勝年法相が一般論として、ということで以下のように言ってます。

法律の定める期限後に日本国籍の選択宣言を行った場合、それまでの間、国籍法上の国籍選択義務14条に違反していた

蓮舫氏は25年以上違法状態か 「二重国籍」で法相見解

あくまで一般論であり、蓮舫さんのケースを言っているわけではない、とした中で、国籍選択義務である国籍法第14条に違反している、ということを言われてます。

国籍の剥奪はあるのか?

国籍法に違反したら国籍剥奪はあるのか?という疑問もわいてきますが、国籍の剥奪についても同じく国籍法に定められています。

国籍法の第15条によれば、法務大臣が、期限内に国籍の選択をしないものに対して、国籍の選択を催告し、この催告を受けたものが、一か月以内に日本国籍の選択をしない場合には、日本の国籍を失うとあります。

第十五条 法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第一項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。

2 前項に規定する催告は、これを受けるべき者の所在を知ることができないときその他書面によつてすることができないやむを得ない事情があるときは、催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は、官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。

3 前二項の規定による催告を受けた者は、催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う。ただし、その者が天災その他その責めに帰することができない事由によつてその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合において、その選択をすることができるに至つた時から二週間以内にこれをしたときは、この限りでない。

この15条は、国籍選択を規定している先ほどの第14条の期限を過ぎた場合に、法務大臣が催告する、というもので、蓮舫さんの場合、法務大臣から国籍選択の催告をされたわけではないため、国籍法のこの15条のケースはあてはまりません。

つまり国籍法から見れば、法律違反はしたけど、遅ればせながら国籍の選択もしたので、なんのお咎めもなし、ということですね。

結局、何の責任もないのか?

ただ、一般の人であればこの「何のお咎めもなし」で済むものも、国会議員、しかも野党第一党の党首ともなれば、簡単に済まされるレベルのものでもないでしょう。

これだけ長い間世間で注目された問題であり、だからこそ結果として記者会見を開かざるを得なくなった、そして違反していたことが確定した、ということであれば、なんらかの形で責任を取る、責任を取ることを示す行動(党首を降りるなど)をする、というのが一般的な感覚かも知れません。

このことに関して蓮舫さんは今回の記者会見で以下のように記者に問われてますが、

過失とはいえ一定の責任がある。結果的に違反してしまったことへの見解は?

この問いには以下のように応えてます。

公職にある者として反省している。やっぱり思い込んでいた。それが事実と違った。その解消に向けての最善の(対応をしようと)最速で努力してきた。それに関する資料は今回お示しした通りだ。これに関しては、やはりもう深く反省するしかない

公職にあるものとして反省しているが、これは過失(不注意によりやってしまった)であり故意ではなく、とにかく深く反省、ということで記者会見は終了しました。

【蓮舫氏「二重国籍」会見詳報(5)】

この野党第一党の党首の感覚、果たして有権者から見たらどう見えたのか、同じ国会議員から見たらどうだったのか、今後更に議論を呼ぶかもしれません。

法律違反などを(知らずにでも)犯してしまったり、大きな問題を招いてしまった場合には、一度国会議員を辞職して再度選挙でえらばれることを目指す、というのが政治家の一般的な行動のように思ってましたが、今回はどうやら違うようです。

今までは、蓮舫さんや民進党の議員が何か言っても(説明責任が果たせてない)お前が言うな的なコメントが沢山湧いて出てきましたが、今後は、そこまで言われないにしても、何かを追求して責任を取ることを要求する段になると、あなたは(過失だからというのはおいといて)法を犯したのにもかかわらず責任とってませんよね的な同じようなコメントが湧いて出てくることにならなければ良いですね。